40歳で憧れの「先生」になる夢をかなえて

Report 5

全ての子どもに夢を!
と沼津発のドリマ副読本を作成

高野 亜紀子(たかの あきこ)さん
主婦/via mama主宰

高野 亜紀子(たかの あきこ)さん 主婦/via mama主宰<

まずドリームマップとの出会いから教えてください。

高野亜紀子さん

きっかけはコーチングでした。受験生の息子を通わせていた学習塾がコーチングマインドを取り入れた指導法をしていたこともあり「コーチングや「ファシリテーター」というものに関心がありました。インターネットで東京で開催しているICPコーチング講座を知り、無料のカウンセリング説明会に赴いたのは2007年の年末です。そのときの一言が思いもよらぬ人生の転機となりました。

高野さんの人生を変えた一言、どんな言葉だったのでしょう?

担当者の女性から「ところで、お母さんの夢ってなんですか?」と質問されたのです。当時、息子の進路の悩みで頭がいっぱいだった私は、「えっ!私の夢!?」と不意に投げかけられた質問にハッとしました。妻として、三児の母として生きるのに一生懸命で、自分の夢をしばらく忘れていたことに気付きました。「今さら夢なんて……。」と思う一方、ずっとなりたかった「幼稚園の先生」という夢を思い出しました。

高野さんの将来の夢は「幼稚園の先生」だったのですね。

はい。高校生の頃まで憧れていましたが、進路を決めるときにピアノが弾けないという理由でその夢を諦め、短大の食物栄養科に入学したのです。「なぜあのとき頑張ってピアノを習いに行かなかったのかな……。」と月日が経ってから後悔しました。

結婚後は沼津に嫁ぎ自営業の手伝いと子育てをしていました。コーチング講座もドリームマップ講座も、初めは夫に「わざわざ東京まで受けに行くの?」と反対されました。自分でも家庭との両立が出来るか迷いもありましたが、思い切って申し込みました!

講座を受けてみていかがでしたか?

講座は、同期メンバーが同じ年頃の子どもを持つママさんが多かったので励みになりました。みなさん勉強熱心だったし、それぞれに素敵な夢を持っていて、とても刺激を受けました。

ドリームマップは、コーチングを習ったあとに初めて作りました。そこで、「幼稚園の先生」にはなれなかったけれど、ドリマ先生にはなれるかも?と思い、「日本中へ 世界中へ ドリームマップを届けています」と書き込んだのです。今では、東北・関東地方の小・中学校で授業をさせてもらったり、大人向けのワークショップを東京開催したり……まだ海外までは行っていませんが、本当にかなってしまいました!そして、夫も自らドリームマップを作ってくれるようになりました。

学校でのドリームマップ授業を担当されることも多い高野さんですが、小・中学校で授業をする良さはどんなところですか?

私は、2010年から地元沼津の小・中学校へ伺っています。どんな偉人・スターにも小学校時代・中学校時代がありました。義務教育で平等に作れる環境があるときにドリームマップ授業ができればいいなと思います。

子どもたちは「人は誰かのために生きること」、「夢をかなえることで社会に繋がること」、「自分が社会の一員であること」をドリームマップを通じてちゃんと感じてくれます。いじめや自殺など様々な問題があるけれど、その原因をいくら探しても誰が悪いとか犯人捜しで終わってしまう。それよりも、子どもたちに未来を描かせてあげた方がずっと問題解決になると思っています。もっともっと導入校が増えていってほしいですね。

ドリームマップ授業で印象に残っているエピソードを教えてください。

高野亜紀子さん

ある男の子は授業中に書き込み式ワークブックが空白のまま、何度話しかけても無言でした。自己分析のワークを終えて、ドリームマップの作成の時間になっても作り始めません。

持参していた切り抜きを見せてもらい「マンションに住みたいの?」と尋ねると、かすかに頷きます。車のチラシを見せると、今度は指を差してくれました。その後、いくつかの素材を台紙に貼り始めた彼でしたが、発表のスピーチシートをまとめる間も、彼のシートにはまだ一文字も書かれていませんでした。

いよいよ6時限目になり、班ごとに前に出て行う発表が始まりました。心配になって見ると彼はドリームマップに将来の職業を書き入れているところでした。そして、もうすぐ発表!という時に突然、私のところに駆け寄ってきたのです。「先生、どうしたら警察官になれるの?」発表では「僕の夢は、警察官になることです。なぜなら凶悪犯罪を無くしたいからです。そのためには警察学校に入れるようにたくさん勉強したいと思います。」と語ってくれました。

言葉少ない彼のなかにも素敵な夢が隠れていたのですね!ジーンとしてしまいます。

はい。発表を聴いて、思わずウルウルしてしまいました。担任の先生もビックリされて「今日あの子すごくがんばりましたよ!」と言ってくださいました。普段と違う子どもの一面が見られるのもドリームマップ授業ならではです。

もう一人、同じようにドリームマップを作らない女の子がいました。ふらっと授業中に教室を出て度々居なくなってしまいます。でも、彼女にも「ディズニーランドのキャストになる」という夢がありました。

発表のころに姿が見えなくなったので探しに行くと、独りで寒い図書室にいました。「発表どうする?」と訊くと、首を横に振ります。「じゃあ、私が代わりに発表してもいい?」と尋ねたら、「うん。と返事をくれました。「なんて発表しようか?教えてくれる?」と相談して発表の内容を決めました。

発表が苦手な子にも、自分の思いを伝えてほしい!という気持ちはしっかり存在しているのだと感じました。

さて、授業の副読本として作られた小冊子「NUMAZU“夢”STORYについてもお聞かせください。

「NUMAZU“夢”STORYは、子どもたちに地元の身近な大人たちが夢を持って仕事をしている、と知ってもらい、その大人たちがみんなの夢とドリームマップ授業を応援してくれているんだよ、というメッセージを伝えたいと思って作りました。副読本では、沼津市内で仕事をされている13名の方々の職業紹介と子どもたちへの応援メッセージをまとめました。掲載させていただいた方々には協賛金という形で出資協力していただき、1000部印刷しました。誌面では、夢をかなえた大人たちの原点やこれまでの歩み、小さい頃の夢、これからの夢など、それぞれの熱い思いをご自身の言葉で綴っていただいています。

副読本は、お家で保護者の方が目を通して下さることで、私のように自分の夢を思い出してもらったり、やりたいことをやる勇気が湧いてきたり、何か小さな一歩のきっかけになれたら……というねらいもあります。

最後に高野さんの今後の夢も教えていただけますか?

高野亜紀子さん

私は40歳になってから夢がかなったけれど、若い頃にドリームマップを知っていたら、もっと早くにもっと多くの夢がかなっていたかもしれません。これからもたくさんの子どもたちにドリームマップを届け続けたいですね。

それから、生まれ故郷が福島なので、東日本大震災で被災したり、将来の不安を抱えたりしている子どもたちがどんな未来や社会を望んでいて、どんな夢を抱いているのか、ドリームマップを通じてその心の声を拾いたいです。

高野さん、ありがとうございました。